トコノールについて
トコノールは革の裏側(とこ面)や革のコバ(裁断面)を美しくしてくれる天然ワックス配合の仕上剤のことです。
革の床面(裏面)で毛羽立ったところに塗って磨くと毛羽立ちと繊維くずをおさえてツヤを出してくれます。
トコノールでトコ処理をしていないと汚れを吸収してシミにもなります。
革製品は長く使い革自体の経年劣化による光沢やツヤを楽しみながら使えるので是非ともトコ処理をしていい革を長く使って頂きたいです。
使用するもの
トコノール
ヘラ
ガラス板
革の特徴
革1枚ものなどは丸めて保管しておくため革を裁断したあとは、このように
革自体が丸くなっています。
ですが、トコノールを塗ることによって革に水分が入りゴム板または本を重ねておもしにすることで革を平らにしてトコノールが乾燥すると革が平らに維持されるので革製品のカットなど作成時に作業しやすく綺麗に革製品を作れます。
毛羽立ちが目立たない革もありますが手で触ってみると床面がザラザラしています。
そういった革でもトコノールを塗ってガラス板で磨くことでツルツルした仕上がりになります。
革床面を磨く
革に裁断したい型紙を合わせて型紙より広く裁断します。
トコノールを塗る前にけがいた線より大きく革を裁断するとトコノールが銀面に付きにくいです。
トコノール処理してから裁断するといいでしょう。
革の毛羽立ち流れている方向がどこかを手で革を触って確認し毛羽立ちが寝る方向、抵抗がない方向を探していきます。
そうして見つけた毛羽立ちが寝る方向にヘラでトコノールを少しずつ塗っていきます。
この時、毛羽立ちの流れる方向にしかヘラを塗らないようにしましょう。
ヘラだけでもかなり毛羽立ちを押さえることができます。
この時、型紙より広く革を裁断した理由がトコノールをつけ過ぎて塗ると革からはみ出してカッティングマットにトコノールがつくことがあります。
すぐにティッシュで拭き取らないと革の銀面に付着してシミになるため、革からはみ出さないように革の端はゆっくりヘラで上手く塗りましょう。
ある程度塗ったらトコノールが乾く前にガラス板で1方向に押さえてながら磨くように仕上げていきます。
磨き終わった床面がこちら
右側がガラス板を使って、左側がガラス板を使わなかった写真です。
ガラス板を使うことで床面の光沢が出て綺麗な仕上がりになり、左側は毛羽立ちが目立ちます。
あとは、ゴム板や本の下に置き革を平らにしましょう。
重しとしてゴム板などを乗せるさいは革銀面に傷がつかないようにクリアファイルを革とゴム板の間に挟むことをおすすめします
右がトコノールを塗って磨いた床面、左がトコノールを塗っていない床面
最後に、トコノールを塗ると気をつけていてもトコノールがついて、ついたところが目立ちます。
ですので、革の銀面をメンテナンスで使うオイルで拭き取ってから作成しています。
なるべく早く拭き取るといいでしょう
コバ磨き
コバとは革を裁断した断面の部分をいいます。
その断面にトコノールを塗って紙ヤスリで磨くことで綺麗な仕上がりにできます。
使用するもの
トコノール
ヘリ落とし
400番紙ヤスリ
ウッドスリッカー
コバ磨き
まずはゴムのりで革同士を貼り合わせます。
なぜコバを磨くのかは見た目の美しさだけではなく、裁断した状態で使用していくとコバから水が染み込み革自体にシミができ汚れがついて強度も弱くひび割れを起こすからです。
ヘリ落とし
貼り合わせた革のコバをヘリ落としで表面と裏面の角を落としていきます。
そうすると、かまぼこ状の丸みに仕上がります。
コバのヘリ落としが終わればこのままトコノールを塗ります。
一般的には、水を塗って磨いく→100〜400番の紙ヤスリで磨く→トコノールを塗る→紙ヤスリで磨く
という工程で仕上げていきます。
ですが、私はトコノールを塗る→400番の紙ヤスリで磨くを繰り返します。
トコノールを塗る
なるべく薄く薄く塗ってください。
トコノールを塗り過ぎると塗り広げる際に余分なトコノールが革の銀面についてしまいます。 トコノールの成分をつけるぐらいのイメージで塗り、指でトコノールを塗り広げてください。
ウッドスリッカーの溝に革の厚さに合う場所で擦って磨きます。
使用する時は、力を入れすぎないようにしましょう。
力を入れすぎてしまうとせっかくヘリ落とししたコバがスリッカーで強く擦ることで革が押さえつけられて角が出てきてしまいまた、ヘリ落としすることになるからです。
こんな感じに
優しく力を加えながらコバ表面を綺麗に仕上げましょう。
紙ヤスリがけをする
ある程度、ウッドスリッカーで整えたら400番の紙やすりでコバを削りその後トコノールを塗っていきます。
ここまでのトコノールを塗る→ウッドスリッカーで磨く→ヤスリがけするを繰り返しコバの凹凸がなくなれば完成です。
まとめ
コバ磨きはレザークラフトの作成工程の中で1番の見せ所だと感じます。
突き詰めれば詰めるほど時間がかかります。
いつも「めんどくさいな〜」と思う作業ですが、コバ磨き後の光沢がなんとも言いがい綺麗な仕上がりになるためやりがいある作業です。
少しでもレザークラフトを始める方にとって参考になれば幸いです。
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